greenplanet’s blog

グリーンプラネットは、豊かな森の再生を手がける『里山再生』のボランティアです。

           令和5年7月15日 下刈り

 

 例年になく、今年は6月の終わりごろから猛暑が出始めました。その延長でそれ以後暑い日が続いています。今日は曇り空で日が当たらない分、暑さは和らぎましたが、蒸し暑さと蚊の大群です。それと、今まで雨と暑さが交互にあったため、草が伸び放題に伸びていました。特に、今年の春に植えた苗木は草に負けそうでした。新たに植樹すればするほど、苗木の周りを下刈りする場所が増えていきます。一日ですべて終わらない広さです。

参加者

 二班に分かれて下刈りを行いました。一班は植樹した苗木を間違って刈り払い機で刈らないように苗木の周りを坪刈りし、もう一班は坪刈りの後、刈り残した周囲の草を一斉に刈っていく。しかし、刈り払い機が早いので坪刈りしていない所を刈ってしまうと、草と一緒に苗木も刈ってしまうハプニングも。坪刈りも草が苗木と同じぐらい伸びているので大変、ほとんどの苗木につるが巻き付き、外すのも一苦労。汗だくだくの奮闘でした。植栽地の坂の下がった所と、道を登った手前の植栽地はまだ手付かずで草が茫々。手前の植栽地は切り株があり、切った枝や丸太が重なっているので刈払いすることができません。それらをまず取り除くために刈り払い機を中断。覆っている草の下から続々枯れた倒木が出てくる。とうとう、その地域は下刈りできず、取り残してしまいました。

苗木の周りの草は深い

丁寧に苗木に絡みつく蔓を取る

 植栽地が広いと、下刈りもいつ来ても同じ場所をやらなければならず、なかなか荒れた地域を開拓することができません。そこで、これから草に負けないぐらい伸びた苗木の場所は草刈りをせず、その代わり、荒れた地域を開拓して植樹する計画です。今、苗床にすでに植樹する時期を過ぎている苗木が百本ぐらいあります。それらを植える場所を作るためでもあります。

一斉に刈り払って行く

切り株の周りは刈りにくい

 もう一つの計画は荒れ地を開拓しながら、クヌギやコナラなどの萌芽更新出来る木を探すことです。それを伐採すれば切り株から芽が出ます。その方法を定着させれば苗木を植える必要はありません。一番再生力が強いのはコナラとクヌギです。その証拠として、一年ほど前、苗木を間違って根元から切ってしまいました。今見ると、その根元から4~5本20センチほどの若芽が出ていました。そのような若芽が苗木から植えるより成長が早いともいわれています。

下刈り後の植栽地

一面に香りを放っているヤマユリ

 木を伐採することも草を刈ることも人手がかかります。しかし、そうしないと木が大きくなり、樹冠が上を覆い、下層の樹木や草が生えなくなります。草を刈らないとササやつる植物が独占し、野生の花植物が生えなくなります。そして、昆虫、蝶、鳥、動物がいなくなり、生物多様性が失われます。人間が自然に手を入れていくところが里山です。自然は循環しているので、私たち、人がそれを進めるよう手助けしています。木を伐採しても放っておけば、3~400年経てばすべて循環しますが、そんなに待てないので木を植えて循環を早めます。そうすることで、木を利用し、畑や田で作物を収穫できます。

ヒヨドリバナが咲きだす

苗木の真ん中に栗の木が

 夏も盛りを迎え、ちょうどヤマユリが満開を迎えていました。ヤマユリの株は10本ぐらいあり、植栽地は甘いにおいが充満し、花園のようでした。今まで見られなかったヒヨドリバナや一面に薄紫色の花を咲かせ、大木になる桐の若木も生えていました。驚いたのは最初に植えた苗木と並んで栗の実がある木を発見したことです。苗木とほぼ同じ大きさです。葉がクヌギと似ているので実がなるまで気づきませんでした。

体長5~6センチあるカミキリムシ

ひっそりと生えている桐の若木